東京大学 文科Ⅱ類/牧野 誠人(灘)

あなたがもしある科目を集中的に勉強して、その後すぐに成績が伸びたとしても安心しない方がいい。これはおそらく全ての科目にいえることだが、成績を伸ばしていく課程においていくつもの壁があるようだ。僕の場合この現象が一番顕著に出たのが、英語だった。4月に一念発起して塾に入り、単語帳を買い、文法を覚え、長文もたくさん読んだ。すると不思議なことに、小テストでの成績が急に上がった。初めは記号選択のカンがよく当たっただけだと思っていたのだが(実際自信のない所ばかり正解していた)、あまりに長く続くのでこれはひょっとして英語力がついてきたんじゃないかと浮ついた自信を持つようになった。そんな妙な自信を抱きながら挑んだ夏の河合、駿台の東大模試で、僕は撃沈した。この夏の模試以降、強化期間など作らずに継続的な勉強を心がけるようになった。それでも何度も壁にぶち当たった。その度に乗り越え、合格した今なら、確信を持って成長したと言える。